なぜ猟師は犬を飼うのか。猟師だから犬を飼うのか。犬を飼っている人が猟師になるのか。一銃一狗、一狗二足三鉄砲、犬と猟師は、はるか昔から深い繋がりを継続してきました。犬にとって人とは、人にとって犬とは、その謎を解明すべく、我々はアマゾンの奥地へと向かった。
すいません、嘘です。私事ですが先日犬を飼い始めました。今回は、タイトルの通り「犬と猟師」について僕の愛犬の紹介を交えつつテキトーに綴っていきたいと思います。
目次
猟師と犬
唐揚げにマヨネーズ、青物に生姜醤油、ポテチにチョコレート、猟師と犬、ワインにチーズ、揚げ物におろしポン酢。世の中にはお互いを引き立てるベストなマッチングというものが存在します。今、列挙したベストなマッチングの中に「猟師と犬」というワードが含まれていたのに気付きましたか?おそらくこの記事を読んでいる8割の人が、違和感が無さ過ぎて気が付かなかったのではないかと思います。
一銃一狗や一狗二足三鉄砲といった言葉が存在することから、猟師にとって犬は昔から重要な存在であったことがうかがえます。また、ハウンド、ポインター、セッター、レトリーバーなど、狩猟に関連する技術を得意とした犬種が存在することも、猟師と犬の密接な関係を裏付けています。
実際に、僕が参加している日本ブログ村の「狩猟・ハンティング」カテゴリー上位10名のうち、何名が犬を飼育されているか調べてみましょう。
何と10名中6名が犬を飼育しており、僕が見た限り皆さん猟犬として使役されています。犬種は様々で洋犬を飼育している方もいれば、甲斐犬や北海道犬を飼育している方も居ますね。
なぜ猟師は犬を飼うのか
こればっかりはアマゾンの奥地へ行っても答えは出ません。飼っている方に直接聞くのが一番ですもんね。飼っている方に直接聞くのが一番と言っておきながら、勝手に猟師が犬を飼う理由を予想させてもらいました。
予想1.獲物の捕獲・回収を効率的に行うため
これが真っ先に思いつきます。犬に獲物を探させる、追い出させる、動きを止めさせる、これらの行動は、直接的に猟果に結びつくため、犬を仲間に加えるというのは猟師にとっては大きな利点になります。レトリーバーなんかは撃った鳥を回収してきてくれるわけですから、これほど助かることはありません。ただ、いくら耳や鼻がヒトより優れているといっても、ヒトと同じ思考回路をもっているわけではないので、猟犬として一犬前に活躍できるようになるまでは相当な訓練が必要なようです。
予想2.狩猟のモチベーションに繋がるため
これもかなり大きな理由になるのではないでしょうか。狩猟で得た獲物を愛犬と分ける。誰かが喜んでくれるだけで、獲物を獲った時の喜びは何倍にもなります。ましてや犬はヒトと違って「獣臭い」「硬い」「牛肉の方が美味い」なんて文句は言いません。まあヒトにも言われたことないですけど。でも、ヒトは感情を隠すことがあるのに対して、犬はド直球に表現してくれるので、尻尾を振って肉にかぶりつく姿を見ると「こいつのためにも獲物を獲りたい」と思いますよね。
予想3.出会ったが最後
これは完全に自論ですが、知り合いや先輩猟師に「うちの猟犬が子を産んだから見に来ないか」と言われて、見に行ったが最後、子犬の瞳にハートをズキューンと射貫かれてしまった人も多いんじゃないかと思います。犬だけに。
子犬の持つオーラは、麻薬にも負けず劣らず強力で一時的にヒトの判断力を低下させることができます。ペットショップにもたくさん子犬は居ますが、ペットショップのショーケースと値札にはこの子犬のオーラを遮断する素材が用いられているんですよね。完全に予想ですが、何かのツテで子犬と出会い、個人的なつながりゆえ良心的な価格を提示され、悩みぬいた末に犬を引き取ったという人も多いのではないかと思います。
予想4.一人で山に行くのが怖い
え?それはあなただけ?だって、怖いじゃないですか。シンプルに。特に日没前後。一人が嫌なら二人で行けばいいという単純な問題ではありません。共猟のハードルは意外と高く、分け前やスタイル、時間配分といった、1人なら気にせず気楽にやれていたことが、2人になると難しくなったりするものです。その点、犬は報奨金も欲しがりませんしもともと夜行性の動物なので闇に強く、狼の遺伝子を持つ高貴なハンターかと思えば不意にマヌケな一面を見せたりもします。こんな存在が山に入る時に一緒に居てくれたら、単独猟が1.5倍くらい楽しくなっちゃいそうです。単独猟ではなく、単ドッグ猟になっちゃいますねガハハ。単ドッグ猟っていい響きですね。もし今まで誰もこの言葉を思いついていなかったのなら、僕が第一号ということでよろしくお願いします。
予想5.犬が飼いたかった
ただシンプルに、猟犬であってもなくても、私は犬が飼いたかったんだと言う人が大半かもしれませんね。
飼い主のみぞ知る
まぁ結局のところ、なんで犬(猟犬)を飼おうと思ったのかっていうのは飼い主に聞かないとわかりませんよね。予想通りの回答から斜め上の回答まで、飼い主の数だけ答えがあるのではないのでしょうか。
保護犬を引き取った話
エンペラーオブザマッシュルームとの出会い
エンペラーオブザマッシュルームが何かって?犬の名前ですよ。こう見えても僕は一応身バレを防ぎながらブログ運営をしているので、犬の名前一つも公表するわけに行きません。なので僕が「むっちりーの」と名乗っているように、愛犬にも「エンペラーオブザマッシュルーム」と名乗ってもらうことにしました。
エンペラーオブザマッシュルームとは、ある保護犬保護猫譲渡会で出会いました。と言っても、その日僕は別の用事で会場に来ており、譲渡会があることなんて知りません。その日は後輩と会う日で、後輩にもそのひの午前に「犬が飼いたい」なんて話をしていました。そう、僕はずっとずっと犬が飼いたかったのです。用事は16時過ぎに終わり、そろそろ帰ろうかななんて思っていると、譲渡会の情報が耳に入ってきました。しかも、会場はすぐ近く。すぐさま走って会場に向かうと、もう会場はお開き状態。犬たちも引き取り先が決まり、譲渡会のスタッフの方々は片付けに追われていました。
しかし諦めきれない僕。スタッフの方に声をかけます。「すこし犬を見ていってもいいですか?」そうすると、スタッフの方が中へ案内してくださり、その日譲り先の決まらなかった2匹の子犬を見せてくれました。そこで出会ったのが…そう、エンペラーオブザマッシュルームです。
大きな耳にくりりとした目、そして何よりもその名前に運命を感じました。名付け親はわからないですし、シェルターで過ごしている間の仮の名前ではあったと思いますが、運命を感じるポイントっていうのは、自分以外の人物にはなかなか理解できないものです。僕が相棒に対してこの先もずっと一緒に過ごしていきたいと強く心に誓ったきっかけは、相棒が僕のゲーム機を壊してすごく申し訳なさそうに謝ってきたときでした。ね?理解できないでしょう?
犬を飼うということ
エンペラーオブザマッシュルームとの出会いを果たした僕、しかしずっとずっと飼いたかっただけに、慎重にならざるを得ませんでした。犬の寿命は長いこと、僕が賃貸に住んでいること、仕事中は家に居られないこと、数年先の職が見通せないこと、そして何よりも重視したのは、今後数十年一緒にいる予定である相棒の承諾を得る事でした。相棒の実家は代々犬を飼っており、相棒も犬を飼うことの大変さを重々承知しています。今は一緒に暮らすことは出来ていないですが、ゆくゆくは一緒に暮らしたいと思っていますし、その時二人の間に犬が座っていても良いのか、それは僕一人で出す答えではありません。
そして、エンペラーオブザマッシュルームとの出会いから1カ月たったある日、僕の家に新たな家族が加わりました。
なぜ犬を飼うのか
ここでまたこのテーマに戻ってきます。なぜ猟師は犬を飼うのか。なぜ僕は犬を飼うのか。
それはズバリ「もともと飼いたかった」というのが一番の理由でしょう。高校生あたりからずっとずっと犬を飼いたいと思い続け、度々口にしていました。社会に出て、今の地域に来てからは、ペット可物件を選び、里親募集のサイトを眺め、犬と暮らす日々を思い描き続けてきました。なぜ飼いたいと思ったのか、それはあまり思い当たりませんが、一緒に成長したい、ともに生活していくパートナーが欲しい、言葉意外でコミュニケーションを取りたい、そういった思いが根底にあると思います。
猟犬にならなくても良い
エンペラーオブザマッシュルームは、多頭飼育により飼育崩壊してしまったお家の子で、シェルターに母親が保護され産まれた子です。母親も雑種のようで、父親はわかりません。兄弟で特徴が異なり、エンペラーオブザマッシュルームは特に耳が大きいです。外見から先祖の犬種を判定するのは、犬初心者の僕には到底できません。シェルターの方にも「おそらく和犬は混じっているが見当が付かない」と言われました。
猟犬でよく言われるのは「血統が大事」ということ。そのために、猟犬専門のブリーダーが存在し、血統書が重視されています。和犬であれば基本的に猟犬の素質があるとも言われていますが、エンペラーオブザマッシュルームは和犬混じりの雑種です。もちろん、キジ撃ち、カモ撃ち、巻き狩り、忍び猟、猟種によって求められる素質は異なりますが、猟犬が猟犬たるゆえんは「狩猟本能の強さ」に依存していると僕は思います。
エンペラーオブザマッシュルームはいまのところわかりません。僕としては、一緒に山を歩きたいですし、獲物の臭いを追えるようになってほしいですし、こっそり忍べる性格であってほしいと思いますが、例えそれが出来なくても、それはそれで構いません。パートナーとして一緒に暮らせるのであれば猟犬にならなくても良いのです。
先輩猟師に聞きたい3つのこと
このブログを読んでくださった先輩猟師の方で、さらに猟犬を飼われている方に質問したい事が3つあります。もちろん自分で調べ聞き情報収集はしている&していくのですが、もし心優しいベテランドッグトレーナーハンターの方が居ましたら、ぜひともコメントよろしくお願いします。
疑問1.銃声は犬の耳に影響ないのか
まず一つ目です。散弾銃、特にサボット弾やデュポ等の銃声は、ヒトの耳でも耳栓がないとキーーンと耳鳴りが残りしばらくよく音が聞こえなくなるものですが、犬は大丈夫なのでしょうか。垂れ耳ならまだわかりますが、和犬の多くは耳が立っており、銃声がもろに耳に入りそうです。撃つ瞬間は遠くに行かせているのか?そもそもそんなこと気にしないのか?耳をたたませる芸を仕込んでいるのか?そのあたり、お金を払ってでも解決したい疑問点です。
疑問2.マダニケアはどうしているのか
続いて、春から秋にかけて猛威を振るうマダニ、先日の猟日誌でも紹介しましたが、僕もついに咬まれてしまいました。シェルターの方には、マダニ予防の薬を1月に1回垂らせば大丈夫と言われましたが、そんな薬品を数滴皮膚に垂らすだけでダニに咬まれないなら、僕の皮膚に垂らしたいくらいですよってね。有りかもしれません。来年やってみようかな。
疑問3.鹿肉のオススメな与え方
そして最後はコレです。現在、メインの餌はドッグフードを与え、しつけのおやつに鹿肉ジャーキーを使っています。ジャーキーとはいえ、5mmくらいの厚さに切った鹿肉を、30分200℃のオーブンで熱しただけのものですが、それでも美味しそうに食べてくれます。もっとバリエーションがあった方がエンペラーオブザマッシュルームも嬉しいと思うので、何かおすすめのレシピがあったら是非教えてください。
最後に
またまた五千文字を超えた記事を最後まで読んでくださり、ありがとうございます。エンペラーオブザマッシュルームは夜泣きもせず、お留守番中は一人遊びするか眠るかでおりこうさんにしています。そんなエンペラーオブザマッシュルームの色んなことを、ほかの記事と同じように「犬日誌」として発信していきますので、今後とも、どうぞよろしくお願いします。