皆さん初めまして。今回は散弾銃及び空気銃を所持するまでにかかった費用と、日数について解説していきたいと思います。
僕は北海道に住んでおり、令和4年の4月から手続きを始めました。ただし僕の場合は空気銃を先に所持し、その後散弾銃を所持しているため皆様と流れが異なるかもしれません。逆に空気銃のみ所持したいという方は途中まで参考にしていただければと思います。
※本記事では「狩猟免許」については言及しておりません。あくまで銃を所持することに目的を絞って解説しております。
目次
Step.1 初心者講習を予約しよう
銃所持への第一歩、「初心者講習」を受講するためまずは講習の予約を行いましょう。申請用紙は警視庁のHPからダウンロードできます。申請に係る手数料は北海道の場合は6,900円です。また、会場はどこでも良いというわけではなく自分の住んでいる地域の近くでないと受けられないようです(南空知に住んでいるので札幌か旭川で受けようとしましたが、札幌でないと受けられないと言われました)。
※受講希望場所や受講希望年月日についてですが、コロナによる定員縮小や受講者が定数に達している場合があるので、住所地を所管する警察署の生活安全課へ一度問い合わせた方が無難です。
申し込みに必要なもの
- 講習受講申込書(こちらからダウンロード)
- 申請人写真2枚(2.4㎝×3.0㎝)
- 印鑑(今後すべての手続きで持って行った方が無難です)
- 手数料6,900円
Step.2 初心者講習を受講しよう
Step.1で無事予約が完了したら、もらったテキストを1~2回反復し講習を受講しましょう。当日はテキストを忘れないようにしてください。講習会は午前中から始まり、お昼を挟んで16時頃に終了しました。午前中はビデオを視聴したり、現役のハンターさんからお話しを伺ったりします。午後になると警察の方がテキストを読みながら重要な点を解説してくれます。その後、テストを受け合格発表です。概ね警察の方が解説してくれた部分から出題されましたが、地方により難易度は異なるのかもしれません。僕が受講した時は全員合格でした。合格した人はその日のうちに「講習修了証明書」を受け取ることができます。
これから受講する方は、最後に実施されるテストがどんな内容か気になるかもしれません。基本的に真面目にテキストを読んでいれば落ちることはないと思います。どうしても心配な方はネットで「猟銃等講習会における考査の運用要領について」と検索してください。警察庁から各都道府県の警察本部へ考査における基準問題が通達されています。
Step.3 教習資格認定申請(空気銃所持許可申請)を行おう
ここから「空気銃所持を目指す方」と「散弾銃所持を目指す方」で手順が異なります。「両方所持したい方」は僕と同じですね。どちらも診断書が必要になりますが、かかりつけ医が居ない方は精神科にて診断書を出してもらわなければなりません。僕の場合、事前に精神科医が在籍するクリニックに電話し、料金と診察日の確認をしました。診断料は場所によりけりですが僕のところで3,600円、知人は5,000円かかったと言っていました。
経歴書や同居親族書は下記のリンクからダウンロードし、自分で印刷・記入できます、住民票も普段使用している役所にて発行できますが「身元証明書」に関しては本籍地の市町村役場でないと発行できません。本籍地が遠方にある場合は、教習資格認定申請用と後の所持許可申請用に2部取り寄せておくと良いでしょう。
※各種様式のダウンロードはこちらから。
教習資格認定申請に必要なもの(散弾銃所持を目指す方)
- 教習資格認定申請書(上記URLからダウンロード可)
- 講習修了証明書
- 申請人写真2枚(2.4㎝×3.0㎝)
- 診断書
- 本籍地の記載のある住民票
- 経歴書
- 身元証明書
- 同居親族書
- 同僚、近所の人、友人それぞれ2名ずつの住所・氏名・電話番号・年齢のメモ
- 申請手数料8,900円
空気銃所持許可申請に必要なもの(空気銃所持を目指す方)
- 所持許可申請書(上記URLからダウンロード可)
- 譲渡等承諾書(銃砲店や譲渡人に記入してもらいましょう)
- 講習修了証明書
- 申請人写真2枚(2.4㎝×3.0㎝)
- 診断書
- 本籍地の記載のある住民票
- 経歴書
- 身元証明書
- 同居親族書
- 同僚、近所の人、友人それぞれ2名ずつの住所・氏名・電話番号・年齢のメモ
- 狩猟免状(狩猟・有害駆除用途で申請する場合)
- 申請手数料10,500円
※空気銃の所持許可申請を行う方はこの時点でガンロッカーを用意しておきましょう。僕の場合所持許可申請か ら2週間ほどでアパートの立ち入り検査を受けました。
Step.4 教習資格認定証(所持許可証)を受け取ろう
Step.3で教習資格認定申請を行った方は「教習資格認定証」を、空気銃の所持許可申請を行った方は「猟銃・空気銃所持許可証」を受け取りましょう。手続きの処理日数は、教習資格認定申請で30日、所持許可申請で35日となっています。僕の場合教習資格認定証の交付まで土日含んで32日、所持許可証の発行まで土日含んで42日でした。空気銃の所持許可証発行までにかなり日数がかかっていますが、個人的な事情により所持許可証の受け取りをギリギリまで伸ばしたという背景があります。
さて、空気銃の所持を目指している方は、手元に空気銃が届いているはずです。最後に、空気銃を警察に見せればその銃はもうあなた専用の空気銃です。お疲れ様でした。
散弾銃の取得を目指している方はいよいよ実射の段階です!この段階までに教習先の射撃場を選んでおいてください。次のステップまでに教習先が決まっていないと大幅に日数をロスすることになります。
Step.5 猟銃用火薬類等譲受許可証の申請を行おう
教習射撃の資格をGETし、「いよいよ射撃だ!!」と意気込んでいるあなた。弾、買えますか??
そうです、教習資格認定証を受け取っただけでは教習用の散弾を入手することができないため、教習射撃は行えません。教習射撃で散弾を使用するためには「猟銃用火薬類等譲受許可証」を所持している必要があります。この猟銃用火薬類等譲受許可証の申請は、教習資格認定証が出来上がったタイミングで受け取りと同時に行ってしまうのが楽です。大体3日で許可証が発行されます。
※猟銃用火薬類等譲受許可証の申請には弾を何発、いつどこで使うか等を記入する必要があります。教習先が決まっていない場合書けないので、教習先を決めてから申請を行いましょう。
猟銃用火薬類等譲受許可申請に必要なもの
- 猟銃用火薬類等譲受許可申請書(Step.3の各種様式からダウンロード可)
- 手数料2400円
Step.6 教習射撃を受講しよう
猟銃用火薬類等譲受許可証が発行され、教習射撃先の予約が取れたらいざ教習射撃です。僕の場合は午前中に座学や射撃姿勢、散弾銃の分解組み立てについて学び、午後から実際に射撃を行いました。実際の射撃はなかなか難しかったですが、75発中1発だけ綺麗にクレーを割ることができました。講師の方いわく4枚は割っていたそうですが、まったく認識していませんでした笑。翌日アザになるかと思いましたが、意外とアザは出来ませんでした。
※当日は教習資格認定書と火薬類譲受許可証を絶対に忘れないようにしましょう。
射撃教習に必要なもの(教習先による)
- 教習資格認定証
- 猟銃用火薬類等譲受許可証
- 印鑑
- 教習代金44,000円(僕の場合は散弾75発、耳栓代を含んでの価格でした)
※教習射撃が無事終了したら「猟銃用火薬類等譲受許可証」を警察署へ返却しましょう。
Step.7 散弾銃の所持許可申請を行おう
遂に散弾銃の所持許可申請です。「また諸々の書類を準備しなきゃいけないのか、、、」と憂鬱なそこのあなた!教習資格認定申請を行って日が経っていない場合、必要書類は大幅に削減されます(地方により異なるかもしれません)。僕の場合必要な書類は以下の5つだけでした。ここで初めて銃の所持許可申請を行う場合、申請手数料は10,500円です。僕はこの段階で既に空気銃を所持しており、さらに上下二連銃とハーフライフルの2丁同時申請を行っているため申請手数料は11、100円でした(2丁同時申請を行うと安くなる)。
初めて銃の所持許可申請を行う方はガンロッカーと装弾ロッカーを設置しておきましょう。また、委託保管を行う方は委託先の銃砲店と契約しておきましょう。僕の場合、所持許可申請を行って2週間ほどで警察の方から連絡があり、アパートの立ち入り検査を受けました(ガンロッカーと装弾ロッカーを確認し5分程で終了)。
散弾銃所持許可申請に必要なもの
- 所持許可申請書
- 診断書
- 譲渡等承諾書
- 教習修了証明書
- 申請手数料10,500円(初めて申請する方場合。2丁同時申請を行う場合は11,100円になる)
Step.8 警察署で銃の現物確認を行おう
所持許可証が発行され、長かった手続きもあと一息です。銃砲店に所持許可証を見せたら銃を受け取り、2週間以内に警察へ持っていきましょう。部屋へ案内され、銃身長や番号など所持許可証の記載と間違いがないかを確認したらすべての手続きが終了です。お疲れ様でした。
※警察へ銃を持っていく際は必ず銃をハードケースかソフトケースへ入れていきましょう。銃を裸の状態で持っていった場合、その場で所持が取り消されてもおかしくありません。
実際いくらかかったの?銃を所持するまでの総額
では、実際ここまででいくらかかっているのでしょうか。ここで紹介するのは狩猟免許をすでに所持しており、空気銃を1丁、散弾銃を2丁の計3丁所持許可申請している僕の場合です。写真を証明写真機を使わず自分で用意できる方や、診断書をかかりつけ医で発行できる方はもっと安くなるかもしれません。
空気銃1丁、散弾銃2丁を申請した僕の場合
- 申請人写真6枚 900円+カラーコピー80円=980円
- 診断書2枚 7,200円(有効期限3カ月なので1枚で済む場合もある)
- 住民票2通 600円
- 身元証明書2通 800円+普通郵便往復168円=968円
- 初心者講習受講手数料 6,900円
- 教習資格認定申請手数料 8,900円
- 火薬類譲受許可証申請手数料 2,400円
- 教習射撃代金 44,000円
- 空気銃所持許可申請手数料 10、500円
- 散弾銃所持許可2丁同時申請手数料 11,100円
合計93,548円
合計93,548円です。約9万円、感覚的には10万円ですね。恐ろしい額です。さらにはガンロッカー代や装弾ロッカー代、銃の購入費用などを合わせると目も当てられません。僕の場合ガンロッカーと装弾ロッカーに関しては猟友会支部の方で負担してくれましたが。しかし銃3丁のうち1丁は知人からの譲渡ですが2丁は自費で購入。しっかり40万円かかっています(銃本体代金のみで)。
空気銃のみ所持する場合
では空気銃のみ所持する場合はどうでしょうか?教習射撃を行う必要がなく、申請に必要な書類の数も変わってきますのでだいぶ安くなるのではないでしょうか。
- 申請人写真4枚 900円
- 診断書1枚 3,600円
- 住民票1通 300円
- 身元証明書1通 400円+普通郵便往復168円=568円
- 初心者講習受講手数料 6,900円
- 空気銃所持許可申請手数料 10,500円
合計22,768円
教習射撃がないのでだいぶ安いですね。しかし近年空気銃による誤射事件が目立ちますのでゆくゆくは空気銃も教習を受けなくてはならなくなるかもしれません。
散弾銃1丁のみ所持する場合
「自分は替え銃身付きの自動銃1本で何でもやったる!!」という方は僕みたいに3丁も申請する必要がありませんので、申請手数料は10,500円だけで済みますね。
- 申請人写真6枚 900円+カラーコピー80円=980円
- 診断書2枚 7,200円(有効期限3カ月なので1枚で済む場合もある)
- 住民票2通 600円
- 身元証明書2通 800円+普通郵便往復168円=968円
- 初心者講習受講手数料 6,900円
- 教習資格認定申請手数料 8,900円
- 火薬類譲受許可証申請手数料 2,400円
- 教習射撃代金 44,000円
- 散弾銃所持許可申請手数料 10、500円
合計82,448円
約8万円ですね。正直診断書は1枚で足りると思いますので8万円以下に収まるのではないかと思います。
何カ月あれば所持できる?所持までにかかった期間
僕の場合散弾銃を所持するまでに約6カ月かかっていますね。僕は令和4年の4月6日に初心者講習の申し込みを行いましたが、コロナによる定員削減と受講者の増加により2カ月間先の6月でないと講習が受けられませんでした。この2カ月間は大幅なロスですね。また、狩猟免許を取得して今年で3年目となり、狩猟免許の更新用に診断書を出していたため、微妙に所持許可申請とかみ合わず精神科へ2回も受診しています。
なるべく早めに行動し、精神科への受診や教習射撃の予約を計画的に行えばもっと短縮できそうですね。
まとめ
いかがでしたか?僕の場合かかった費用は人より少し高めかもしれませんが銃の所持手続きだけで約9万円。さらに空気銃は約17万円、ハーフライフルは約21万円。上下二連は人からもらったのでタダですが、銃の購入費用と合わせるとかなり大きな金額ですよね。
銃を持つという行為は、一般の方からすると理解し辛いかと思います。警察の身辺調査を受け、取調室で取り調べを受け、高い手数料を払い銃を所持する。まるで変態ですね笑。しかしそれらの苦労を補って有り余る魅力があると思います(と諸先輩方が仰っていました)。
最後に
銃の所持について調べていると、「警察署へ問い合わせた方がよい」という記述が僕のブログ以外でも散見されると思います。これは地方により必要な書類や金額が異なるためというのもありますが、大半の地域で猟銃関係の手続きを行う担当者が決まっており、担当者の在・不在で手続きにかかる時間が大幅に変わってきます。また、事前にアポイントメントを取って手続きを行うことで警察からの心象も良くなると思います(ガチです)。初めての方は不安なことが多いかと思いますが、まずは自分の住んでいる地域の警察署へ勇気を出して問い合わせてみてください。
何か質問があれば、遠慮なくコメントしてください。また既に銃を所持しているベテランの方々も「自分の時は大体いくらだった」と教えてくださると大変参考になるかと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。