今回は「空気銃を持ちたいけど、どれにしようかあれもこれも悩んで決められない!」という方向けに記事を書いています。どうぞよろしくお願いします。
目次
どの銃にするか決められない?その気持ち痛いほどわかります
僕自身、まだ空気銃を所持して1カ月ほど。つい最近まで皆さんと同じようにどの空気銃にしようかとてもとても悩んでいました。新銃なんてとても買えず、予算も限られているため、数多のサイトを駆け巡り、ガン〇ットやガ〇オクをお気に入りバーに登録し、毎日アンテナをビンビンにはり理想の空気銃を探していました。
きっとこの記事を読んでいるあなたも思い当たる節があるのではないでしょうか?今回は、そんな悩みに悩んだ僕が、現在の銃を選んだ理由。そしてその決断に至るまでの判断基準について紹介していきたいと思います。
なぜ空気銃?まずは目的をはっきりさせよう!
まずは、自動銃が一丁あればスラッグでイノシシやシカ、散弾でヒヨドリも鴨もカラスも撃てるのに、「なぜ空気銃が欲しいのか」をハッキリさせましょう。僕の場合は以下の4点が空気銃を選択した理由です。
- 出来るだけ静かに撃ちたい(発砲音を抑えたい)
- 頭や首を狙って可食部の損傷を抑えたい
- 弾代を気にせずに射撃練習がしたい
- スナイパーみたいでカッコイイ
次に、「何を狙いたいのか」をハッキリさせましょう。
空気銃にも口径があり、4.5mmから7.62mmまで弾の大きさを選択できます。主流なのは5.5mmですが矢に強いカワウの駆除やイノシシの止め刺し用に空気銃を持つ人は6.32mmや7.62mm等の大口径が適しています。
僕の場合はヒヨドリサイズ(4.5mmが最適)から鴨やカラス(5mmは欲しい)まで、幅広く撃てて銃の種類も弾の種類も豊富な5.5mmにしました。空気銃を競技目的で使う場合、狩猟で使う場合、カラスやカワウ等の有害駆除で使う場合、それぞれ適した口径やモデルが変わってくるので、対象を明確にしてから目的に沿った銃を選びましょう。
※4.5mmでも鴨を獲っている人はいます。あくまで適した口径であり射手の腕に依存するかと思います。
安さで選べばポンプ式かスプリング式?
この記事に辿り着いた皆さんなら、空気銃のおおまかな分類に関してはもうバッチリ理解しているかと思います。やはり、空気銃本体の「安さ」で選ぶならポンプ式かスプリング式の空気銃ですよね。ポンプ式の代表格、シャープチバ製のエースハンターだと、72,000円~66,000円の間で出品されています。スプリング式だと、最近カタログなどでよく見かけるCOMETA製のフュージョンギャラクシーが税込みで72,000円となっています(2022年9月現在)。
僕も当初はエースハンターかスプリング式の空気銃を買うつもりでした。残圧を気にせずポンピングすれば何度でも撃てて、50m先も射程圏内に入る。「某狩猟漫画と言えばコレ!」のエースハンター。パワーもありくくり罠の止め刺しにも使われる、一回のコッキングで発射可能なスプリング式エアライフル。どちらも魅力的ですよね?しかし、レビューを調べてもなかなか出てきませんし、苦労して得た所持許可なのに撃ってみたら当たらないというのも悲しいです。悩んでも埒が明かないので、YahoO知恵袋で質問してみました。
※一部質問や回答を改変しています。YahoO知恵袋で調べれば元の質問と回答が見られるかと思います。
つまるところ、スプリング式の空気銃は50mや100m先の獲物を撃つには向いておらず、近場の木に止まるキジバトやヒヨドリなどは撃てる。エースハンターは精度も威力も十分だがセットトリガーという部品を付けないと引き金がポンプするたびに重くなるし、そういったカスタム部品の取り扱いやメンテナンスを受け付けている店がもう無い。ということになりますね。
この回答を見て、僕はスプリング式とポンプ式は諦めました。もちろんこの方の意見が全てではありませんが、僕は獲物をヘッドショットで綺麗に仕留めたいですし、猟場でぶつけたりして壊す自信があります。そうなってくると命中精度や部品の在庫は必要不可欠となるわけです。
結局どんな銃を購入したのか
では最終的にどんな銃を購入したのか?僕は「s410」というエアアームス製の中古プリチャージ式空気銃を購入しました。
エアアームス「s410」を選んだ理由
- 評判が良い
- 部品の流通量が多い
- 本体価格が安い
- 見た目が良い
まずは評判と部品の流通量についてです。これは空気銃の販売・修理を行っている銃砲店の店長さんから聞いた話ですが、エアアームスs410のような、いわゆる「第2世代」の空気銃は第1世代と比べて性能が良く(当たり前かもしれませんが)、その上購入者も多かったため部品の流通量が多いそうです。また、シュラウド付き(銃の発砲音を抑えるため銃身を筒で包む構造)の銃も出始め、静かでよく当たり修理も安心という、空気銃において重要な要素を満たしている銃が多いそうです。
性能が良いと言われる第2世代の銃のなかで、僕が具体的に銃の名称を聞いたのはエアアームス社のs410、FXエアガンズのFXサイクロン、エバニクス社のレインストームです。どれも空気銃の購入を検討している方なら一度は見聞きした名前ではないでしょうか。
続いて価格についてです。上述の購入者が多いという点とも関連しますが、購入者が多い分中古銃の流通量も多く、性能に対して価格が安く抑えられていると思います(個人的な見解です)。実際、僕の銃はスコープ、ハードケース、ハンドポンプが付属して約17万円でした。おそらくFXサイクロンやレインストームを購入するとしても20万円以下で購入できるのではないでしょうか。
現在カタログで新銃として販売されている「第3世代?」の空気銃は一定の気圧で弾を射出できる「レギュレーター」がついていたり、さまざまなアタッチメントを付けられる「ピカティニレール」が付いていたりと機能面で大幅にグレードアップしていますが、これらの銃を新銃で買う場合、おそらく銃本体のみで30万円、スコープやポンプ等を含めば40万円近くするのではないでしょうか。
最後に見た目についてですが、これはもう個人の好みの問題ですよね笑。僕はゴールデンカムイの尾形上等兵の影響でボルト式の銃に強烈な魅力を感じていましたし、軽いシンセティックの銃床より、重くて傷が入りやすくても木の銃床が良かったので、エアアームスのs410を見つけた時点で即決してしまいました笑。
気になるお値段は
僕が購入した「s410」の中古銃はネットで調べると大体140,000円~180,000円の間で販売されているようです。実際、僕が購入した銃も、銃本体が税込み170,000円の送料が2,600円でした。5.5mmのペレットやクリーニングペレットも一緒に購入しているので、総額はもう少し値が張りますが18万円には届いていません。銃には3倍~9倍の可変スコープが載っており、中古のハンドポンプとハードケースが付属していたので、届いてすぐ射撃場に撃ちに行けるような状態でした。
傷の状態や不具合
キズに関しては後述しますが、少なくとも商品発送前に軽く点検はしてもらえたようで、故障しているという事はありませんでした。ただ、取り扱い説明書等がないため、射撃場で最初の1発を撃つ前はだいぶ緊張しました笑。
キズについては、まず前提として僕が購入した銃は銃砲店のサイトでコンディション★★+αという記述でした(★★★★が中古で最上のコンディション)。他の銃が大体★★★の星三つの評価を得ている中、星二つというのは正直不安でしたが、実際届いて確認してみるとたいしたことありませんでした。
以上の4か所が主だった傷です。銃口付近の傷はライフルや散弾銃なら影響あるかもしれませんが、僕の空気銃の場合、傷ついているのはシュラウドで、本当の銃口は少し奥にあるので精度にはあまり影響がないようです。弾倉の傷や割れは少し酷いですが、正直弾を機関部に込める機能さえあればそれ以上は必要ないと思います。ただ客観的にみるとこの2点の傷を嫌がる人は多いと思いますので、そのために★★+αという評価になったのではないでしょうか。
銃床の傷については、もう前のオーナーと銃の間に刻み込まれたストーリーだと思っていますので何も気にならないです。この先、自分ももちろん大切に扱っていくつもりですが、狩猟や駆除をやる以上傷はつくと思いますし、傷一つ一つを見てそのシーンが回想できればそれはそれで幸せだなぁと思います。
実際に使ってみての感想
まだ所持してから1カ月と少ししか経っていませんが、ライフル射撃場にて2回、カラスの有害駆除に1回使用しました。
操作性と集弾性(グルーピング)
まず操作性についてですが、特に不満を感じる点はありませんでした。事前にネットで得ていた情報では「ボルトが重すぎる。かなり力を入れないと引けない。」との意見がありましたが、ボルトの操作もスムーズに行えました。一点気になったのは想像以上に長くて重たいことですかね笑。なんせ初めての銃なので銃の長さや重さは特に意識していませんでしたが、開封してビックリ、「長いッ!!」と感じましたし構えてみて「重ッ!!」と口からこぼれてしまいました。ただ実際には、空気銃に限らずライフルでも、委託なしの立射で撃つという場面は限られてくると思いますし要は慣れなんじゃないかなと思います。
続いて集弾性(グルーピング)についてですが、かなり良い方なのではないかと思います。下の画像は「初めて空気銃を撃つ」僕が「土嚢袋をレストにして射撃」した画像ですが、初めてにしては概ねよく纏まっているのではないでしょうか。ところどころ外れ弾がありますが、引き金をうまく引けていなかったり、スコープを覗くのに手間取ったりしているのが理由だと思います。
ハンドポンプは大変?
空気銃の購入を検討している方にとって「ハンドポンプの大変さ」はかなり関心が高いのではないでしょうか。僕も先輩のハンターからは「ハンドポンプなんてやってられない。」「エアタンクは高いし定期検査もあるから空気銃を持つ人はいない。」と聞いていました。
結論から申し上げますと、体重が70㎏以上ある人はバリバリ行けます。
根拠としましては、僕の体重が70㎏だからです。そしてなぜ体重が基準なのかというと、ハンドポンプで重要なのは筋肉よりも真上から押しかける圧だからです。もしかすると、60㎏あたりでも行けるかもしれませんが、200気圧を超えると70㎏の僕が全体重をかけてもなかなかポンプが下まで下がりきりません。正直なところ華奢な女性だと厳しいと思います。しかし、レギュレーターのついていない空気銃の場合、集弾がバラつかないおいしい気圧というものが大体決まっています(僕の空気銃の場合160~180気圧の間)。もしかすると180気圧くらいまでなら女性でも入れられるかもしれません。ここらへんは女性からの体験談を聞いてみたいですね。
おいしい気圧の話が出たのでついでに話しておきますと、上述した通り僕の空気銃のおいしい気圧は概ね160~180気圧の間です。ハンドポンプの気圧計を基準に(空気銃の気圧計はおそらくズレている)180気圧までチャージした場合、160気圧に下がるまで約20発撃てます。狩猟で使う場合、一日20発撃つことはまずないと思います(撃つ人もいるかもしれません)。では160まで下がった気圧を180まで上げる場合何回ポンピングしなければならないのか?僕の場合約40回です。この回数を多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれですが、10回ポンプして一休みしてを繰り返せば4セットですみます。そもそも連続でポンプしすぎると空気が圧縮される際に生じる熱でポンプやホースが熱くなってしまうため、ポンプは一休みしながらするくらいがちょうどいいのです。
※ハンドポンプについて詳しくコチラ「エアライフルのハンドポンプって実際どうなの?具体的な手順と労力の話」
付属のスコープは使える?買い替えるべき?
僕の場合、3倍~9倍の可変スコープが付属していましたが、空気銃を購入する前はスコープを別で購入するか迷っていました。結果的にお金がなくて購入には至らなかった訳ですが、スコープについてはこだわる人はこだわりますし、こだわっていない人でもしっかり獲物を獲っている人はいます。僕のスコープはレチクルがデュープレックス(下の画像のような十字線)なのですが、獲物との距離の測定や弾の落下量の計算には向いていません。というよりできません。獲物との距離をレーザー距離計等を使わずにミルドットレチクルで計測したい方はミルドットのスコープを買った方が良いと思いますし、「とりあえず何でもいい」という方は付属しているならそのスコープをまず使ってみるのが良いと思います。
9倍という最高倍率も50m先がしっかり見えるかと言われるとそんなことはありません。ただ、良いもの好きなものを求めるとそれこそプレチャージ式の新銃が買えるくらいの値段がするので、個人の好みの領域だと思います。ただ、スコープなしで空気銃猟をやろうとしている人はやめた方がいいです。罠の止め刺しならともかく、30~50m離れた獲物を狙うのであればスコープは必須です。
こうしてみると、9倍でも50m先の的紙がかなり小さく見えますよね。僕も欲を言えば14倍までのスコープが欲しかったりするのですが、知り合いの猟師さんが6倍のデュープレックスレチクルで200m先のシカを獲っている話を聞いて、ひとまずこのスコープで頑張ろうと思いました。
まとめ
理想と現実のギャップ。思ったより〇〇
最後に僕が空気銃を持つ前に描いていた理想像と、所持して感じたギャップをお伝えしたいと思います。
まず一点目、思ったよりも弾が落ちます。所持する前は、ペレットがものすごい速度で一直線に飛んでいくのを想像していましたが、実際はペレットの速度は時速980km程度(1秒で270m進む)で、ライフル弾が時速3,000km程度なのと比べるとだいぶ遅いです。さらに飛ばす弾が数グラムととても軽いため、空気抵抗を受けて弾が落ちますし、山なりの軌道を描くのが見て取れます。
※しかし、ペレットは早ければ良いわけではなく、早すぎず遅すぎずのラインを責めることで高い命中精度を実現しているそうです。
お次は二点目、思ったよりもゴツいです。正直、空気銃・エアライフルと聞いて最初はトイガンのスナイパーライフルみたいなものを想像していました。しかし、実際手に取るとかなり大きく重たいです。おそらく教習射撃で使う上下二連よりも重く長いと思います。より軽く、より短いものはそれ相応の値段がしますし、猟のスタイルでも許容できる重量が変わってくると思うので、空気銃の購入を検討している方は、自分の猟のスタイルについても考えてみてください。
最後になりますが、思ったより楽しいです。空気銃は射手の腕以外に、風や気温等の環境要因で着弾点が変化してしまいますが、それらの要因をできる限り分析して狙ったところに当てるというのはとても楽しいです。自然を相手にしているというライブ感がたまりません。また、発射音がライフルやスラッグ弾と比べて格段に小さい(シカとマダニくらい違う)ので、発砲における体のストレスが全然違いますし、周囲への気遣いも変わります。弾代も一発数円なので気にせず撃てます。やはり空気銃のメリットとして一般的に挙げられる点はメリットとして十分な効果を発揮していますね(当たり前)。
結局は出会いと直感
ここまで長々と空気銃について述べてきましたが、結局は出会いと直感だと思います。銃のフォルムやストックの好みは人それぞれですし、ブルバップスタイルの銃にグッとくる方もいれば、THE・銃というフォルムに惹かれる人もいるはずです。そして、自分の欲しい銃が市場に出回っているとも限りません(中古銃ならなおさら)。僕が銃を手にする前、銃砲店でちらっとお話した人は「銃は巡りものだからピンと来たのを買えばいい」と仰っていました。僕もそう思います。
空気銃の所持を検討している方。空気銃選び、悩みながらもぜひ楽しんでください!!
6000文字近い記事を最後まで読んでくださりありがとうございます。何か疑問やコメントがあればお気軽にコメントください。既に空気銃を所持している方は所持している銃の名前とレビューをコメントしていただけると悩めるビギナーにとって大変参考になるかと思います。また、女性男性問わずハンドポンプで空気を充填している方、どれだけ大変かをぜひ教えてください。よろしくお願いします。