Guns & Gears 猟具と道具

直火で使えるステンレスボトルが優秀。心と身体を温める山の一服革命

 皆さんこんにちは。最近はシカを追ってばかりで、なかなか猟日誌が更新できていません。エゾライチョウやヒヨドリを狙いに行こうかなとは思っているのですが、外気温マイナス10℃以下の状況で、秋にゼロインしたままの銃で狙えるのかどうかもわかりませんし、もう雪がスゴくて、一回山入ると最低1000kcal消費して帰ってくることになるわけで。いやぁ、緩くないですね。

 そんなこんなで、今回は先日のAmazonブラックフライデーで購入した道具類の紹介と、山での一服、携行食のチョイスについてのお話です。今回だいぶ前置きが長いので、ステンレスボトルのことが知りたい方は見出しから飛んでください。

山歩きは疲れる

 雪が降る地域前提の話になってしまいますが、冬の山を歩くのって、正直めちゃくちゃ疲れますよね。夏の山は夏の山でアブ・蚊・ダニ・スズメバチ・笹薮・汗を始めたとした沢山の強敵が居て、早く雪が積もってほしい、早く夏が終わってほしい、なんて思いますが、いざ雪が降って笹が寝始めると、積雪開始1カ月で心が折れそうになります。

 冬の雪山の何が大変かって、まずつぼ足(何も装備をつけていない足)で歩けないということ。つぼ足で歩くと膝上、下手すると腰や胸まで雪に埋まってしまうため、スノーシューや和かんじき、スキーを履く必要があります。スキーであれば「行きはラッセル帰りはスイスイ」でそれなりに速く移動できますが、尾根越えや急な傾斜に対応できません。スノーシューや和かんじきは、常にラッセル、基本的にどんな場所でも歩くことが出来る反面、雪を踏みしめて沈んだ足をまた上げて、と動作も抵抗も大きいためめちゃくちゃ疲れます。

スキーの跡が残る林道

 さらには、夏はある程度の場所まで車で入るのは容易ですが、積雪期においては車は林道の入口までしか入れません。なんなら、林道の入口よりだいぶ前の時点で除雪車により雪がおっつけられているため、林道のだいぶ前から歩き始めることになります。そうなると、目的の猟場まで夏は5分で着いたのが、冬だと30分かけて歩いたりする必要が出てきます。

直近2回の出猟ログ

 上の画像はここ2回の出猟記録です。どちらも3時間で1000kcalを超えています。汗をかかないようにゆっくりゆっくり、シカを探しながら歩いてこの消費カロリーです。これだけカロリーを消費しているということは、その分エネルギー不足に陥る危険があるということ、そして山でのエネルギー不足は判断力の低下、運動能力の低下を招き、命に係わる事態に繋がりかねません。

一服と携行食の重要性

 そんな状況で、心と身体を温めてくれるのが一服タイム。ホッと一息ついて、腰を降ろして小休止します。甘いミルクココアや紅茶、暖かいコーヒー等を飲むことで、身体を内部から温めると同時に、チョコやカロリーメイトなど、カロリーの高いものを食べてエネルギーを回復します。

猟のお供に月寒あんぱん

 この一服に何を飲むか、携行食に何を選ぶかって、十人十色で人によって様々な工夫やこだわりが施されているので、僕はハンターさんや林業屋さんに会ったら結構話題に出します。僕の周りの人だと、コーヒーや紅茶にクッキーやナッツなどを合わせる人が多いですね。僕の理想は、セイコーマートとかで売られている羊羹ツイストを頬張りながら、甘めの熱々レモンティーとかを飲むことですが、まぁ羊羹ツイストはかさばりますし、外気温マイナス10℃だと凍っちゃったりしますね。基本的にはチョコレートや羊羹と白湯か紅茶で済ましてしまいます。

 え!?羊羹ツイストを知らないって人もいるんですか!?いやいや、特徴を言えばピンとくると思いますよ。パンの中に生クリームが入っていて、パンの上に羊羹が薄く塗られているアレです。え?ピンとこない?おかしいですね…。もしかしてローカルな食べ物なのでしょうか。僕の地元には「小倉ネオマーガリン」かなんだかの名前で、細長いパンに小倉とマーガリンを挟んだりジャムとマーガリンを挟んだりしたパンが売っていましたが、あれもローカルですもんね。

 なんにせよ、一服や携行食は多種多様で、人それぞれこだわりがあったりするということです。ただ、北海道の場合は凍らないものが好まれる気がします。あと夏場は水が貴重(沢の水はエキノコックスが居て飲めないため)なので、カロリーメイトみたいに口の中の水分をすべて吸い尽くすような食べ物はあまり好まれない気がします。皆さんもイチオシの食べ物や飲み物があったら是非教えてください!!

山の一服革命!新規購入した道具たち

 だいぶ長い前置きになりましたが、やっとここからが本題です。僕は先日のAmazonブラックフライデーで、いくつか装備を更新しました。その中で、今回取り上げるのはステンレスボトル及び固形燃料とポケットストーブです。

ボトル(500ml)の印象は背が低くて胴が太い

 まずはコチラ、直火で使えるステンレスボトルです。機能は読んで字のごとく、直火でお湯を沸かすことができます。ただ、単層構造(よくある魔法瓶等は2層)なため、温めてから冷めるのも早いです。

 直火で温められるメリットは、余計な荷物が減るということに尽きますね。お湯が必要ならステンレスボトルごと火にかけてしまえばいいし、水が不足したらそのへんの雪や沢の水を入れて、煮沸させることで飲み水を確保することができます。体が極限まで冷えてどうしようもない時は、中のお湯を沸騰させ、タオルにくるむことで湯たんぽにすることもできます。暖かい飲み物が飲める、飲み水が確保できる、湯たんぽになる、まさに1台3役の一品です。

一人鍋用固形燃料って言うんですね

 そして初めての試みがコチラ。旅館なんかでよく見る固形燃料です。僕が購入した時はブラックフライデーの最中だったので、40個入りで1200円でした。1個あたり30円の計算になりますね。まぁ基本1回の猟で使っても1個ですし、毎日毎日山へ入るわけじゃないので、もう一回くらい購入すれば今シーズンは乗り切れそうです。

 実際に使ってみて驚いたのは、その持続時間ですね。外気温マイナス10℃、降雪ありの状況で20分間燃え続けていました。今まではCB缶(よく見るカセットボンベ)とバーナーを持ち歩いていましたが、この固形燃料に変えた事でだいぶ荷物が少なくなりました。固形燃料を焚きつけにして焚き火を焚くこともできるので結構満足しています。

畳むとスマホよりも小さい

 最後がコチラ。固形燃料用のコンパクトストーブです。ほんとにコンパクトで、片手に収まるサイズです。網もついているので、網の上にステンレスボトルを載せればほっといても湯が沸きます。風防は2か所ですが、実際使うときは雪面を少し掘ってコンパクトストーブを置くので、基本的に風の影響は受けません。

こちらは畳んだストーブ4枚分くらいのサイズ感

 あ、あと忘れていましたが、アウトドア用座布団も便利です。これもブラックフライデーで購入しました。いくら防水パンツを履いているといっても、雪面にお尻をべったりつけるのは嫌なものです。かなりコンパクトになるので、意外とかさばりません。

実際に使っている様子

 雪山での忍び猟中に実際に使っている様子です。

味噌汁を飲む

 この日の一服は味噌汁。家から小さなタッパーに乾燥わかめと乾燥野菜、そしてレトルトの味噌を持ってきました。乾燥わかめによりお腹も満たせますし、塩分、和の心、ビタミンを補給でき、持ち運ぶのも非常にコンパクトなので、結構山に合っていますよね。

あさりかしじみが良いですよね

 まず、コンパクトストーブをセットし、固形燃料に火を点けます。

デターーー!!マッチスタイル!!

 もちろん、使用するのはイムコのオイルライター。このために持ってきたといっても過言ではありません。

僕のロマンに火が点いた。IMCOのオイルライター「SUPER 6700P」にホレた話

ついでに手の暖をとるのもよし

 後はステンレスボトルを火にかけ、お湯が沸くのを待ちます。といっても、アツアツすぎても飲めないので、ある程度温まったら火から外します。試しに飲んでみて、熱すぎれば雪にさして冷まします。

丁度良い温度を見極めるのが難しい

 これで味噌と乾燥野菜を入れれば、ホッカホカの野菜たっぷり味噌汁の完成です。ただ、このときはチョップスティックを忘れたので、張り付いたわかめを食べるのが難しかったです。

アールグレイを飲む

 続いて、今回飲むのはアールグレイ。こだわりがあるわけではなく、ただ家にあったからという理由で持ってきました。

アールグレイってそもそもなんだろね

 例によって、コンパクトストーブと固形燃料で湯を沸かし、アールグレイのパックを入れます。

トドマツの下で小休止

 本来は蓋を開けた状態で火にかけねばなりませんが、たぶんその理由はゴムパッキンが痛むからだと思うので、ゴムパッキンが本体に触れないように蓋をかぶせてみました。熱くて飲めないくらいに温まるまで5分もかかりませんでした。

 いまさらですが、水の「煮沸」を行うには、水温が100℃(気圧によってはそれ以下)まで上昇する必要があります。果たして固形燃料+単層ステンレスボトルの組み合わせでそこまで水温を上げることができるのか?

 上記のように蓋をすれば行けるような気がしますが、まだ試していないので次に山に行った時に試してみようかと思います。雑多な菌類は基本的に80℃まで水温が上がればいいと思うのですが、エキノコックスは100℃1分で不活化するので、沸騰しない場合はエキノコックス対策に十分とは言えませんね。また後日更新します。

まとめ

 いかがでしょうか。ちょっと前置きが長すぎましたね。4000字近い記事になってしまいました。山は疲れるっていう話から、羊羹ツイストの話、そしてお湯を沸かす話とだいぶ話がごっちゃになってしまいました。

 この時期、雪山を歩いて猟をする人は、僕の地域では僕と師匠、そして土日に他地域からくるハンターさんくらいしかいませんが、SNSを見ると結構たくさんの人が「忍び猟」を行っているようなので、そういった人たちと交流して、一服の話や携行食の話、山の火事情を聞いてみたいですね。もしブログを読んでいる方で、何かこだわりがある人がいればぜひコメントしてください。1年後にはこのブログも超有名ブログになっているかもしれません。寂れたブログにコメントを残す変人として冷たい目で見られる可能性もありますが・・・。

完全に忘れていたが、座布団もGOOD

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