みなさんこんにちは、北海道の気温も30度を超えるようになり、昨晩は今年初の熱帯夜となりました。もう夏本番、セミが鳴きホタルが舞います。何が楽しくて今更こんな記事を…。
山菜の帝王「行者ニンニク」
ギョウジャニンニクは、ユリ科の多年草…と手元の図鑑にはかいてありますが、APG分類体系ではヒガンバナ科に属する多年草となります。別名「キトビロ」「アイヌネギ」と呼ばれますが、僕の周辺では「ネギ」と呼ぶ人が圧倒的多数です。北海道ならどこでも採れる印象ですが、本州でも採れます。ただ、比較的冷涼な気候の山林や原野に生えるため、平地で見かけることは少ないです。「アイヌネギ」という呼び名には賛否両論ありますが、この記事では特に触れません。
※山菜の帝王という二つ名は僕が勝手に付けました。
特筆すべき生態
ギョウジャニンニクは繁殖力が弱く(成長するのに年月がかかる)、種から食べられる大きさになるまで3年かかるのが特徴です。具体的には、1年目に種子から鱗茎になり越冬し、2年目にやっと1枚葉の芽を出します。そしてその秋に葉は枯れ、地下の鱗茎のみが越冬し3年目を迎えます。3年目でやっと二枚葉が出るようになり4年目以降にやっと三枚葉の個体が出現し、花を咲かせ子孫を残すようになります。一般的に収穫するのは2枚葉の個体になるかと思うので、種から収穫まで最低3年かかるという点で「繫殖力が弱い」と言われます。
どんなところに生えるのか
僕のギョウジャアイによると、沢沿いの斜面が一番ギョジャっている可能性が高いです。沢沿いの斜面のなかでも、とくに日当たりがよく、土壌が表層崩壊しているような貧相なロケーション。こういったところにギョウジャニンニクが生えているような気がします。ただ、林内の笹薮の中にも生えていたり、尾根に生えていたりと、見るべきポイントはあってもそこにしか生えないというわけではありません。
いつ生えるのか
地方によって異なりますが、僕の住んでいる地域では概ね4月の末に収穫のピークを迎えます。また、同じ地域でも標高が高い所低い所、日当たりのいい場所悪い場所で生育のピークが異なります。
収穫は1枚葉3枚葉残しの茎切り
1枚葉も採る人、3枚葉も採る人、根こそぎ採る人、色々な人が居ますが、僕は「1枚葉と3枚葉は採らない」「絶対に引っこ抜かない」をマイルールとして収穫しています。というのも、前述した通りギョウジャニンニクは繁殖に年月のかかる植物。密集して生えるとはいえ、あれもこれも採っているとすぐに場が枯れてしまいます。
まぁ、実際に根こそぎ採ったとしても、この広大な山の中には必ず生えていて、絶滅するということはあり得ないとは思いますが。気分の問題ですね。
行者ニンニク太さ対決!挑戦者求ム!!
さて、ここで本題です!僕が今シーズン見つけた御神木、いや御神行者がこちらです!
いかがでしょうか!!汚い親指まで一緒に写して申し訳ないです。でもこれ、だいぶ太いでしょう??
もしこれに勝る行者を採ったことある人居たら、ぜひコメントしてください。といっても、北海道の隅々まで山菜取りをおこなったわけではないので、本州含め全国にはさらなるモンスターが居るのかもしれません…。ゾクゾクしますね!!井の中の蛙大海を知ることになりそうですが…。
行者醤油があれば食卓は一気に豊かに
ギョウジャニンニクは生でも炒めてもてんぷらでも漬けてもなにしても美味しいのですが、最も汎用性があって簡単なのは、やはり「醤油漬け」だと思います。
- ギョウジャニンニク 適量
- 醤油 100cc
- みりん 大さじ2
- 酒 大さじ2
- ごま油 大さじ1
作り方は簡単で、まずは行者ニンニクに沸騰したお湯をかけ、20秒ほど浸したら冷水で締めます。次に、鍋に醤油、みりん、ごま油を加えて煮立たせ、ぶくぶくなったら火を止め粗熱をとります。粗熱が取れたら、水気を絞っていい感じのサイズに切ったギョウジャニンニクを加えて完成です。
もうこれが本当においしくて、白飯に乗せてもヨシ、卵かけごはんに入れてもヨシ、余った醤油でチャーハンを作ってもヨシ、もう本当に、食卓のグレードが一段階上がります。ただ、こんなにおいしくても、朝イチは食べられません。冗談抜きで「あ、この人朝ごはんにギョウジャニンニク食べたんだな…。」ってわかります笑。いや、ほんとに(真顔)。