Guns & Gears 猟具と道具

獲物を積めて悪路も走れる!!個人的に憧れの狩猟車TOP5

 皆さんこんにちは。今回の記事は何かを紹介するとか体験談を書くとかではなく、僕の理想を語る記事です。テーマは狩猟車。流しにおいても忍びにおいても日常生活においても重要な要素、それすなわち「お家に帰るまでが狩猟(駆除)」。そして、いかに悪路を走れるか、獲物を積めるか、快適か、ロマン溢れるか、理想の狩猟車選びには、果て無き荒野が広がっています。

狩猟車って何

 そもそも論、「狩猟車」とは何か。これはただ単純に僕が勝手に呼んでいるだけですが、ハンターが狩猟や駆除に用いる車を「狩猟車」と呼んでいます。ただ、ハンターにも色々な人が居て、大物猟をやる人、鳥撃ちメインの人、流し猟をやる人、獲物を積む人積まない人、猟のスタイルに合わせて理想の一台というのは変わってくるかと思います。

 僕は大物猟メインの、秋冬忍び春夏流しスタイルとなります。また、獲れた獲物はクマもシカも食肉処理施設へ搬入するので、獲物を積む+獲物を運搬する必要があります。また、林道も決して良い林道とは言えず、酷いぬかるみやごつごつ石、陥没に急傾斜など、舗装路とは全く違う路面を乗り越えていく必要があります。

 現在使用しているのは僕より年上の軽トラちゃんで、これがなかなかに頑張ってくれています。スタックから抜け出し、谷からシカを引っ張り上げ、何十頭も処理施設へ搬入してくれました。ほんとに、お疲れ様です…。いや、まだ全然現役で頑張ってくれているんですけどね。もうしばらくはお世話になると思います。ただ、ステアリングは重い。シートも固いしエアコンは効かない。鍵は締まりにくいし窓はクルクルしなきゃだし、片道1時間以上は運転する気にならない。そしてエンジンがケツの下にあるのでありとあらゆるモノが温まる。いやぁ…頑張ってくれているんですけどね…。

見た目は軽トラ!気持ちはダットラ!狩猟車の最適解(自己採点)

狩猟車に求める条件

荷台がある or ヒッチキャリアを付けられる

 まず、「獲物を積んで運べる」これが最も必要な条件です。僕の住んでいる地域でシカを獲るとなると、1頭70kg前後が多いです。2頭積んだら140kg、秋のオスであれば単体で100kgを超えてくるので、耐荷重200kgは欲しいですね。

 荷台があるとなると、軽トラやハイラックスなどのピックアップトラック。ヒッチキャリアであれば、ヒッチメンバーが付けられるなら理論上はどんな車でも行けます。この「理論上は」というところがミソですね。

クマを運搬している様子

ラダーフレーム構造である

 車のフレーム構造は、大きく分けて「モノコックボディ」「ラダーフレーム」があります。基本的に、ジムニーやランクルといったガチガチのオフロードを走れる車はラダーフレームを採用しています。ザックリ説明すると、ラダーフレームの車はフレーム自体がとても頑丈&シンプルで、ボディが凹んだりしても程度によっては走行が続けられます。それに対してモノコックボディの車は、車全体が柔軟性を持っており、外部からの衝撃を車体全体で受けて運転者を守るという構造をしています。

 もちろん、双方の構造にそれぞれ利点欠点があるのですが、「ヒッチキャリアを付ける」これにいたってはラダーフレームに分があります。というよりモノコックボディが適していないということになります。

 先ほど述べたように想定される積載重量は70kg~、秋のクマやシカとなると100kgは余裕で超えてきます。これだけの重量を車体の後ろに載せて“悪路を走る”ことになるわけです。アスファルトで舗装された道、綺麗に整備された林道やキャンプ場に向かう砂利道くらいであればモノコックボディの車でも問題ないかもしれません。ただ、気を付けて走ってもグワングワン揺れるような道、下からの突き上げが酷い道、こういったところをヒッチキャリアに重量物を載せ走ってしまうと、ボディがきしんでしまう可能性があります。

悪路走破性が高い

 一口に悪路走破性といっても、いろんな要素が絡み合うと思いますが、「ラダーフレームであること」「デフロックがついていること」「地上高が高いこと」「ギアのハイ&ローが切り替えられること」このあたりが、僕の求める条件です。

お家に帰れること

 例えば、身近なものではスタックや脱輪、こういったアクシデントから一人で抜け出せるのか、これはとても重要です。実際のところウインチやワイヤー、滑車など装備に依存する部分が大きいですが、車体の強度も重要です。抜け出したあと自走して帰れなかったら意味がありません。また、横転や滑落、予想される危険はたくさんあります。お家に帰るまでが狩猟&駆除、猟果よりもなによりも、重要なのは身の安全ですね。

「なぜこんなところでハマるのだろう?」第三者から見ると不思議でしょうがないスタックも多い

個人的にマニュアルが好き

 あとは、個人的にマニュアル車に乗りたいです。今乗っている2台も6速MTと5速MTの車です。先日左手をガッツリ怪我したときは、さすがにシフトを動かすのに苦労しましたが、やっぱりガコガコシフトをいじるのが楽しいんですよね。流し猟はMTの方が有利と聞くこともありますが、オートマの車でも三桁獲っている方そこらじゅうにいらっしゃるので、ATかMTかはさほど重要じゃないと感じています。本人がどちらを好きかという話ですね。

乗りたい車TOP5

北の王者「ハイラックスピックアップ」

 やはり一番に挙がるのはこの車!北の王者ハイラックス。どっしりとしたボディ、戦車のような安心感。世界各国で信頼されている車です。僕が一番ビビッと来てるのは上の画像の「ハイラックス スポーツピックアップ エクストラキャブ」です。ダブルキャブと違って2ドアですが、後部座席があり4名まで乗ることが出来ます。荷台は広すぎず狭すぎず、クレーンやボックスを設置してもスペースに困りません。燃料はディーゼル(多分ガソリンもある)、ミッションはフロア5MT設定があります。車両重量は約1700kg、燃費は恐らくリッター10km程度でしょう。いやぁ~~~、痺れますね。しかし、値段帯は150万~250万。部品も少なくなってきているようです。

 そして、こちらの「ハイラックス シングルキャブ」もかなり良いです。なんかもう完全に猟用に割り切っている感じがして、“その道の人”という雰囲気があります。『クマ撃ちの女』のチアキが乗っているのもたしかシングルキャブのハイラックスですよね。シングルキャブのハイラックスは荷台がとても広いので、車中泊というよりは荷台泊になりそうです。ただ、こちらも安くて150万、部品の流通量が少ないのは変わらずです。

小さな巨人「ジムニー」&「ジムニーシエラ」

 そして2番目に挙がるのはやはりこの車。小さな巨人「ジムニー(軽)&ジムニー(シエラ)」。何が良いって、やはりその走破性と車体重量、そして最小回転半径の小ささです。ジムニーの魅力についてはもう僕が語る必要もないと思うのですが、北海道のハンターの3分の1はジムニーに乗っているといっても過言ではありません。ただ、走行距離10万kmを超えてくると不安なところはあります。15万kmは走ると思いますが20万kmとなるとどうなるのでしょうね。

 僕の理想は現行型のシエラ。なぜシエラが良いかというと軽のジムニーよりも排気量が大きく高速走行に向いていそうだから。そして車幅が広いので、轍が合いそう。加えて、なんと現行型にはクルーズコントロールが付いています。北海道で長距離移動となると、高速走行時の安定性とクルーズコントロールはほぼ必須だと思います(個人の感想です)。

 対して、軽のジムニーの良さは維持費の安さではないでしょうか。自動車税も安く高速利用料も安い。セカンドカーとして狩猟車を買うならジムニー一択かもしれません。いや、やっぱハイラックスも良いな…。ただ、現行型のジムニー&シエラは大体100万~250万。決して安い車ではありません。

 現行型ではなく先代のジムニーに乗るなら、2014年以降の最終型に乗りたいですね。これであれば大体80万~150万でおさまります。ジムニーは下を見れば安い車体はたくさんありますが、今後10年乗り続けられるか、と言われると前オーナーのメンテナンスや走った地域、そして走行距離の見極めが必要になるような気がします。

ラリーの王様「パジェロ3.2ショート」

 生産終了したとはいえ、いまだに人気のあるパジェロ。そして僕が乗りたいのは数の少ない3ドアショートボディです。全長4.3mと短い車体ですが、3200ccのディーゼルターボエンジンを積み、車両重量は2100kg、全幅1.87mと、強くて重くていかつい、まるでフンコロガシのような車です。もちろん褒めてます。MT仕様はなく、全てMTモード付5速AT。ラグジュアリーでカッコイイとても素敵な車です。しかし、なんせ価格が高い…。15万km走った車体でやっと150万~200万。10万km以下の良い個体を買おうものなら、平気で250万を超えてきます。いやぁ、軽トラと乗用車の2台持ちにヒーヒー言っているような僕では、とても手が出せません。良いなぁ…。

 ちなみにパジェロは完全なラダーフレームではなく、ラダーフレームとモノコックボディを掛け合わせた独自のフレーム構造をしています。

希少種「プラド3.0スリードア」

 上のパジェロショートと被るところはありますが、プラドの3ドアもとっても良いですね。プラドは何といっても見た目がカッコイイ。軽トラが唸りながら頑張って走っていた雪道を、トロトロぐんぐん登っていく姿には本当に痺れました。でも、やはり価格は高い。上の画像のプラドは2000年式で250万円。そのお金があったらハイラックス買いますよ…。

圧倒的ロマン「いすゞビッグホーン」

 いやぁー出すか悩みましたが、やはり出さずにはいられません。いすずのビッグホーン。渋い。まずISUZUってところが渋いです。「い~つうまでもいつうまでも~、は~しれはしれ、いすずのトラック~」脳内に懐かしのあの曲が流れます。絶対強いじゃないですか。3000ccのディーゼルターボ、しかもこの車、割とよく見るんですよ。個体数はすくなく部品も少ないと思うんですが、道路でひときわ目を惹くせいでしょう。まぁただ単純に同じ人と何回もすれ違っているだけという可能性もありますが。

 とにかくカッコイイ。そして安い!150万もあれば綺麗な個体が買えてしまいます。ただ、故障したら治せないような気はしますね。マイナーな車すぎて、買いたいんですけど修理が怖くて買えない。でも乗りたい。絶対林道での取り回しも悪いけど。室内はチープで音もうるさそうだけど。でも乗りたい。そんなロマンあふれる車です。

結局はジムニーかハイラックス

 でもでも、TOP5は挙げさせてもらいましたが、結局自分で買うならジムニーかハイラックスだと思うんですよね。やや、いえ、だいぶハイラックスの方が優勢です。何か良いご縁があれば他の車を買う可能性もありますが、「乗りたい気持ちは王道ハイラックス、実用性は天下のジムニー」というところは変わらない気がします。ちなみに「ハイラックスだと車体が大きすぎて林道で小回りが利かないじゃないか」という意見もあると思います。いいんです、バックで帰れば。

 先日、三菱から新型ピックアップトラックの日本発売が正式に発表され、ハイラックスはモデルチェンジ、ランクルも新しく出て、ジムニーの5ドアが出るかもと噂されています。僕もこの流れに乗って、誰かが手放した車を安く買いたいな。なんて考えながら生きています。まあでも、ない袖は振れないので、まずはシカを100頭施設へ搬入して160万貯めたいと思います。どうか温かい目で見守ってください。来年にはハイラックス乗ってるので!!

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