Passion ハンドメイド

真鍮で「ムギマキ」ネックレスを作る。切り出しロウ付け前途多難

 やってまいりましたハンドメイドシリーズ第2弾!あれ?ヒグマのアイヌ文様の話はどこに行ったの…?どこ行ったんでしょうか…。デザインが納得いかなかったり、道具が合わなかったり、正直行き詰っています。が、モノづくりの世界というのはある分野の技術や考えが違う分野に影響を与えることも多々あるので、潔く違う分野にチャレンジしましょう!

相棒の誕生日プレゼントを作ろう!

 実は3月某日は相棒の誕生日。「相棒って何だよ」って思われるかもしれませんが、ぼくもそう思っているので安心してください。今時人を「相棒」呼びする人なんて恥ずかしくて見てられません。僕もリアルじゃ絶対そんな呼び方しませんし。まぁただ、ブログで書く文にはそっちの方が何というか“謎の人物感”が出て良くないですか?

相棒は鳥類が大好き

 相棒は鳥が好きです。そして僕の100倍詳しいです。そんな相棒の誕生日なので、せっかくなら鳥のデザインされたものをプレゼントしたいですよね。でも、市販のものだと既に持っている可能性も見られている可能性もありますし、何より相棒は“ニッチな鳥好き”なので、どうせなら好きな鳥デザインのものをプレゼントしたいです。

 相棒が好きな鳥というと、パッと思い浮かぶのは「ウミスズメ」「ヒレンジャク」「ムギマキ」ですが、今回は「ムギマキ」をモチーフに作っていきたいと思います。ムギマキがどんな鳥かについては、皆さんで調べて頂いたほうが早そうです。僕から言えることは、英名が「ムギマキフライキャッチャー」であるということ。ダサい。

「ムギマキ」ネックレスを作ろう!

 さて、それではさっそく作り始めていきましょう!ただ、今回が初めて「真鍮」に手を出したので色々試行錯誤しながらの挑戦となりましたね。いやほんと、完成してよかった…。

デザインを考えて型紙を作る

 まずはデザインを考えます。とはいえ皆さんがご存知の通り?僕は絵的センスというのがほとんどありません。模写やスケッチは出来ますが、自分の頭でより良いデザインを考えたり、デフォルメしたりするのがとても苦手です。なので、「極力シンプルに」をモットーにデザインを考えました。

最初の計画

 デザインが完成したら、“カーボン紙“を使って型紙を作ります。カーボン紙というのは絵の下にひき、その上から絵をなぞることで、なぞった絵と全く同じものが複製できるというものです。

 余談ですが、僕は小学生のころ、喘息で度々入院を繰り返していました。そんな時出会ったのがカーボン紙。絵が下手な自分でもきれいな絵、好きな絵をそっくりそのまま描けるということにとても感動し、色々な絵を複製しました。そしてそれを塗り絵にして時間をつぶすのが唯一の楽しみでしたね。

こんなやつ

今回は真鍮2枚を重ねた二層構造にするので、それぞれの型紙を作製します。

下に来る型紙
上に来る型紙

 トレースし終わったら、切り抜いて重ねてみます

完成予想図

真鍮を切り出そう

 さぁ、ここからが本番!真鍮を切り出していきましょう。今回使用するのは厚さ1mmの真鍮版。ホームセンターで買いました。

真鍮は、銅と亜鉛の合金で、別名「黄銅」とも呼ばれる材料です。私たちが生活のなかで用いている5円玉も、真鍮を材料としています。銅と同じく加工性に優れており、世の中で使われている銅の大半は、純銅と真鍮であるとも言われています。

Mitsuri

 型紙を両面テープで真鍮に貼り付け、糸鋸で真鍮を切り出していきます。

フィルムが貼ってあるので汚く見える

 「真鍮を糸鋸で切り出すなんて大変じゃないの?」って思われる方もいるかもしれません。いやぁ、大変でした…。この少し高い糸鋸を買うまではね!!!

世界が変わる一品。今まで使っていたのがゲームボーイアドバンスだとすると、ゲームボーイSPに変わったときのような感覚

 いや、ほんとに安物の糸鋸じゃ全然きれなかったんですよ。というか刃が悪い。安い糸鋸に最初からついてくる金属用の刃は、細かい工作に向いていません。そこで、精密な作業向けの刃を買ったわけですが、刃に適合する糸鋸もそろえる必要がありました。結果どうだったかというと…もう楽しくてしょうがないんですよ。スイスイ切れるのが。イヤー良かった良かった。

 さて、真鍮を2枚切り出したら、重ねて具合を見ます。

多少ズレていても最後に慣らすのでヨシ

 良い具合ですね。次はいよいよ「ロウ付け」です。

ロウ付けに挑戦

 ロウ付けは溶接の一種で、異種金属や同種の金属同士を接合させるための手段を言います。用いるのは“銀ロウ”という素材で、真鍮の油分を取り除いた後に“フラックス”という剤を塗り、バーナーであぶります。フラックスが良い頃合いになったら銀ロウを接合させたい部分に置き、溶かします。最後は水にジュボッと入れて完成です。

バーナーで炙るので真鍮が変色する。これが酸化??

 と、文章で説明すると簡単な行程に思えますが。これがなかなか初心者の僕には大変でした。

 ロウ付けが終わったら、“ディクセル溶液”というものに漬け、酸化被膜?を取り除きます。が、この行程は正直何がどう変わったかわかりませんしやり方を間違えていたかもしれません。

溶液に漬けている様子

レジンを流し模様をつけて完成

 いよいよ最後の行程です。このままだとムギマキだとわからないので、リューターを使って模様を付け、チャームポイントである白い部分をレジンで表現していきます。

白い部分が石をはめ込んだような質感になってしまった

 完成……

 で、いいのか…?イマイチ思ってたのと違います。というのも、レジンを流したところは本来マットな質感ではなく光沢のある白になるはずでした。しかし、最後に“サビーヌプラス”という液につけた際、硬化したレジンが溶けだしてしまったのです。化学反応恐るべし!

作戦変更

 レジンが溶けだすなんてことまったく想像していませんでしたし、この白い部分を表現せねばムギマキとわからないかもしれない…どうしよう…。と頭を抱えていた僕ですが、別の作業で使っていた「銀粘土」の存在に気付きます。

 銀粘土とは、99.9%の純銀で、粘土のような状態から焼き上げることで固まっていわゆる銀になる。というクラフト素材です。今回はコレに救われました。

粘土をコネコネして詰める

 まず、白(銀)を表現したい部分に粘土を詰めます。一点注意したいのは、銀粘土は焼き上げると体積が小さくなるということ。このやり方だとシンデレラフィットが望めないわけです。

銀粘土セットについてきた専用の焼き網を使う

 カセットコンロを使って焼き上げたら、ぽろっと銀が落ちるので、削って形を整え、同じようにロウ付けして完成です。

頭の部分がへこんでしまった

完成

完成

 はい、完成しました!

 目の後ろの白い部分は、ロウ付けしている最中に凹んでしまいましたが、それも一つのアクセントだと考えれば及第点でしよう。何より初めてチャレンジしてそれなりに形になったので、とても嬉しいです。相棒も喜んでくれました!袋を開けて一目見た途端「ムギマキでしょ?」と言われたので、それなりに特徴はつかめていたようです。キビタキって言われてもおかしくないですけどね。

 真鍮シリーズ第2弾も、既に作業は始めているのですが、調子に乗って難易度を上げすぎてしまいました。そっちの記事はいつになることやら…。なにはともあれ、完成してよかったです。ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

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